忍び寄る 緑内障


忍び寄る 緑内障

自覚症状が、ほとんど無いまま徐々に進行


自覚症状がほとんど無いまま、徐々に視野が欠けていく緑内障。

以前は眼圧の高さが原因と考えられていましたが、正常眼圧でも発症している人が増えてきています。

40歳以上の20人に1人が罹患。推定患者数は400万人。

早めの治療で進行を遅らせることができるので、早期発見が重要です。



緑内障とは

緑内障とは視神経が損傷を受けて視野が欠けていく病気。

目の内部には酸素や栄養を運ぶ房水が循環しており、房水によって生じる圧力(眼圧)が高いと目の奥にある「視神経乳頭」に負担がかかり、視神経に障害をもたらします。

従来は眼圧の正常範囲(10~21mHg)をこえると緑内障になると考えられていました。

しかし2001年に行った検査によると、
40歳以上の5%が罹患し、そのうち70%は眼圧が正常な正常眼圧緑内障であることが分かりました。

眼圧検査の重要性が低下したのではなく、経過観察の重要な数値であり眼圧が下がることで進行は遅くなります。

現在は眼圧検査に加えて眼底検査などをし、視神経乳頭の特異なへこみなどを見つけると視野検査などで詳しく調べ緑内障と診断します。



緑内障の種類

一般的で重要なものは2種類


開放隅角緑内障(かいほうぐうかく)

房水の出口はフィルター状になっており、そこが目詰まりして流れが悪くなることで眼圧が上昇し、視神経がダメージを受けるタイプ。

正常眼圧緑内障も含まれ大半を占めます。男性の方が若干多い傾向があります。


閉塞隅角緑内障(へいそくぐうかく)

房水の出口が虹彩の根元でふさがることが原因。

房水の排出が急激に低下する急性のものもあり、その場合は激しい頭痛、目の痛み、嘔吐などの症状が出ます。

遠視の女性がかかりやすいのが特徴です。

忍び寄る 緑内障



見え方が変と、気付いた時には手遅れ

片方の目の見えにくい所をもう片方の目が補うため、自身では視野欠損には気付きません。

基本的に自覚症状が出にくいため、見え方が変と気付いた時には視野がほとんど失われていることもあります。

治療せずに放置しておくと、最悪の場合は失明することもあります。

しかし、早期発見で眼圧を下げる治療ができると、視野障害の進行をかなり遅らせることが可能です。

治療は点眼薬やタイプによってはレーザー治療を行うこともあります。

早期発見のためには定期検査が不可欠。

幸い特に高い眼圧でなければ発症後1~2年で失明などの重篤な状態になることはありません。

目安としては、40歳を過ぎたら眼科検診、人間ドックなどを年に一度は受けましょう。


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